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ぼくが「麻雀就活」をはじめた理由。社長の趣味で採用するという新発想

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2022年9月3日。都内のある雀荘でぼくは34名の学生たちと麻雀を打っていました。

2019年からはじめた「麻雀就活」。コロナで一時中断を余儀なくされていましたが、2年ぶりに3回目の開催ができました。学生34名、弊社・SUMUSの社員3名、ゲストのプロ雀士3名。総勢40名での1日がかりの麻雀大会です。

ここでやるのは、本気の麻雀。面接なんてしませんし、志望動機も聞きません。むしろ麻雀中は全員が集中しているので、ほとんど会話もありません。

開始前の代表挨拶では「麻雀とわたし」というテーマで話をし、終了後の懇親会では「あの時の打ち筋が良かったね」「あそこでドラを切るなんて!」「いつから麻雀やってるの?」など話題に上るのは麻雀のことばかり。

ふざけているんじゃないか?

いいえ、大真面目です。麻雀就活はSUMUSにとってれっきとした採用活動であり、学生たちにとってもれっきとした就職活動なんです。

 

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全員がマジです。 

 

名前もしらない中小企業の採用イベントに、東大・京大クラスの学生が集まる!

この麻雀就活は2019年の第1回目から毎回広告宣伝費を一切かけずに、多くの学生からの応募があります。毎回応募が殺到するので、2022年の麻雀就活は予め「本気で勝ちたい人」という条件をつけ、点数計算ができるかどうかで足切りをしました。結果、集まったメンバーは強豪揃い。この企画始まって以来はじめて、学生が総合1位を獲得しました。

さらに興味深いことに、応募層のレベルが高く、東大京大をはじめとした、旧帝大の学生たちがこぞって参加してくれるのです。弊社のような小さな会社では、ナビサイトで求人を掲載しているだけではなかなか出会うことができない人材たちです。

彼らの大半はSUMUSという会社のことを、Twitterで見るまさにそのときまで知らなかったことでしょう。もしかすると、応募するときでさえ、まだ社名も意識していなかったかもしれません。

 

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まずはオフィスで会社説明・・・と思いきや「麻雀とわたし」というテーマで話をしました。 

 

1日麻雀を一緒に打てば、その人の内面が丸裸になる

ぼくは根っからの麻雀好きです。学生時代は好きが高じて雀荘でアルバイトをし、現在でも月に2回は麻雀を打っています。日本全国を出張で飛び回りながら、現地の雀荘を訪れ、連勝記録を打ち立てたこともあります。実は弊社のナンバー2とも麻雀がきっかけで知り合いました。

これまで麻雀を通してたくさんの人をてきた中で、麻雀の打ち方にはその人らしさがありありと出ることを強く感じていました。

・勝てないと思った瞬間諦め、勝負を降りる人
・確率を考えず、無謀な賭けにばかり出る人
・ここぞの勝負勘がやたらと強い人
・堅実な勝ちを求める人
・あえて人を嵌めるようなひっかけ技ばかりする人

など、こうした麻雀の打ち方は本人の性格とも強くリンクしており、1日一緒に麻雀を打てば、その人のことがとてもよく分かります。それこそ、面接で「これまで頑張ってきたこと」「私の長所」など、予め用意してきた自己PRを聞かされるより、もっと本質的な部分が丸見えです。

また、「麻雀が強いコンサルタントは優秀である」というのがぼくの持論でもあります。

そもそも数字に強くないと点数計算すらできません。運を味方につけながら、与えられた手牌の中でもっとも最良の勝ち筋を探していく。そのプロセスはビジネスに通じる部分が多々あるのです。

 

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対局に集中するため、後ろ見は禁止です。

1~2半荘であれば運の要素も大きいですが、SUMUSの麻雀就活は1日がかりの6半荘。それだけあればハッキリ言って、人となりも、備えている能力も手に取るように分かります。

だからこそこの麻雀就活では、全員が本気で打つことを大切にしています。学生たちにはぼくらやプロ雀士を食ってほしいし、一方で負けてあげるつもりはさらさらありません。

学生たちが楽しめるように盛り上げようとか、勝たせてあげようなんて狙いは1ミリもありません。

 

 

規模でもなく、条件でもなく、事業内容でもなく、”一緒に麻雀を打ったあの経験”が心を掴んだ

これは学生にとっても同じだと思います。いくら同じ「麻雀好き」と言えど、空気が合う・合わないはやっぱりあります。1日一緒に卓を囲むと、「この人たちとはずっと一緒にいられるな」と感じる人もいれば、「自分にはちょっと合わないな」と感じる人もいるでしょう。

本気で向き合うからこそ、より深いところでお互いのことを理解し合えるのです。

「私、これまで真剣に麻雀を打ってきたんですけど、そのことを評価してくれたのはSUMUSだけでした。」―

第1回目の麻雀就活に参加した学生のから言われた言葉です。彼はトヨタ自動車からも内定を獲得し、トヨタかSUMUSかで最後まで悩んでいました。

当時は今よりもさらに規模が小さく、知名度もなかった弊社と、誰もが知る大企業のそれも専門職。普通であれば悩む理由が見当たらないような二択ですが、彼を最後まで引き留めていたのは、一緒に麻雀を打ったあの経験でした。

 

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最終的に、彼の能力や技術がもっと活かせるのはトヨタだとぼくも背中を押したカタチで決着しましたが、彼が東京に遊びに来たときには今でも一緒に麻雀を打つ仲になりました。

麻雀なんてゲームや遊びの類だと言う人もいます。もちろんそうです。でもゲームや遊びも本気でやれば、これほど深く人と繋がるツールになるのです。

だからぼくは、真面目に、真剣に、誇りを持って麻雀就活をしています。

 

 

新発想。中小企業は「社長の趣味」で採用をする!

ぼくはこのエピソードをもとに、皆さんにも麻雀を採用に取り入れることをおススメしたいわけではありません。

SUMUSは「麻雀」を切り口にしたイベントを企画しましたが、皆さんの会社でこれを参考に何か採用イベントをやりたいと思ったのであれば、麻雀である必要は全くありません。それこそ社長の趣味でいいと思うんです。

ぼくの場合は麻雀が好きで麻雀をずっとやってきたからこそ、その打ち方でその人の性格や思考のクセを見ることができます。

それは他の競技でもきっと一緒で、ゴルフでもダーツでもランニングでも魚釣りでも、精通している人が見れば、

「あの人は序盤ではりきりすぎる」
「ここぞというプレッシャーに弱い」
「周囲への配慮を徹底しつつ、美味しい所はきっちり持っていく」

などその人のプレーの様子から色々なものが分かるはずです。

学生にとっても、自分がよく知っている分野で時間を共有することで「実際のところ、この会社ってどんな会社なんだろう?」ということがリアルに感じられます。慣れない会社説明会や面接をするよりも、よっぽど的確にお互いのことが分かりあえると思いませんか?

中小企業の採用は、大企業の採用手法と同じである必要は全くありません。スキルや能力も大事ですが、社長と社員の距離が近い中小企業ではそれ以上に、「社長が手を離さない人」を採用することが一番大事なんじゃないかとぼくは考えています。

採用の段階で「趣味が合うか」「長時間一緒にいてもお互いに苦じゃないか」「沈黙の時間を気にせずにいられるか」「難しい局面でどういう判断をするか」など、より深いレベルでの「合う/合わない」を見極めておくことはお互いにとっても大切なことではないでしょうか。

 

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対局中は、無駄なお喋りはありません。黙々と打つのみ。

 

他社と同じことをしていても、人材は採用できない

皆さんもご存知の通り、採用市場は今、圧倒的な売り手市場と言われ、仕事が余っている状態です。そんな中、人気がない、知名度がない会社は応募が集まらず、人手不足倒産も起こっています。

ぼく自身も、採用に悩んでいた一人です。そして今も試行錯誤の日々です。8年前に会社を立ち上げ、はじめて採用に挑戦しようと思ったときには、その費用の高さに仰天しました。

さらに巷の採用本を読んでみても、書いてあるのは都会の大企業向けの話。自己資本で創業したばかりのぼくには、そこから参考になる情報を探すほうが至難の業でした。

「ならば、自分で考えてみよう」―
そうして、手探りながら自分なりの採用活動をはじめていきました。

あれから7年。この度、ぼくがこれまで培ってきた、中小企業のための採用ノウハウをまとめた書籍「SNS採用」を上梓しました。

 

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この本はバズを生むとか、フォロワーを集めるとか、いわゆるSNS攻略をまとめた本ではありません。SNSという仕組みをうまく活用することで、お金がない、認知度がない、自エリアに人がいない、そんな会社であっても最高の一人を採用するための方法を書かせていただきました。

株式会社SUMUSで実験してきた成功事例・失敗事例。また弊社のご支援先での事例も含め、机上の空論ではない”リアル”なエピソードを収録しました。このnoteで紹介した「麻雀就活」の話も出てきます。

「うちなんてどうせ…」そうやって採用を諦めかけている人にこそぜひ読んでほしい一冊です。

株式会社SUMUS 代表取締役
小林 大輔

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