東郷博之Hiroyuki togo

MEMBER

コンサルタント事業部プロフィットマネージャー

2016年10月入社

「やりたいことがない」と遠回りした経験が、コンサルタントとしての今の自分をつくっている

「やりたいことがない」と遠回りした経験が、コンサルタントとしての今の自分をつくっている

助成金、労務、人事評価、マーケティングと幅広い領域のコンサルティングを行うプロフィットマネージャーの東郷博之さん。今では全国に300社以上のクライアントを持つ東郷さんですが、入社時にはコンサルタントになるつもりは全くなかった、とか。目の前のお客様のお困りごとに応えることで、自らキャリアを切り拓いていった東郷さんの仕事観を伺いました。

助成金サポートの仕事が、いつしかコンサルティング業務へと移り変わっていった

僕が入社したのは創業間もないころで、メンバーは小林さんと佐藤さんと、経理の智美さんだけ。

当時は会社としてアプリ開発の事業から、工務店向けのパブリックファンディング事業へと移行したタイミング。

パブリックファンディングとは、分かりやすく言えば助成金の申請をサポートする仕事です。助成金を申請するためには、会社の体制が整備されている必要があります。会社をよりパブリック(公)なものにしていく、住宅産業で働く人のパブリックマインドを育てるという意味を込めて、SUMUSでは「パブリックファンディング」と呼んでいます。

入社してしばらく、僕はひたすらこのパブリックファンディング事業に集中し、300社近くの助成金の申請支援をしていました。するとやはり、会社の労働環境がネックになるケースが出てきました。

当時の住宅業界はまさにブラック。出勤簿もつけられておらず、残業代も未払いで、休日もなし。そんな状態ではもちろん、助成金は支払われません。

助成金の申請サポートをするためには、そもそも会社を整えるところから支援したほうがいい」という場面に直面するようになったのです。

僕は大学院で労働法を選択科目として学んでいたので、実はその分野に関する知見がありました。そこで内容や価格を自分で考え、会社に提案し「労務コンサル」をはじめました。これが僕のコンサルタントとしてのスタートです。

社長たちの悩みはつきない

労働環境を整えたり、人事評価制度をつくったりと組織に関する支援をしていると、経営者の方と話をする機会が増えていきました。すると、今度は集客や売上、営業に関するお悩みをたくさん耳にしました。

実は過去に住宅営業をしていた経験もありました。家庭の事情で辞めてしまいましたが、「家を売る」ということが分かっているのだから、営業周りのサポートもできるんじゃないかと思い小林さんに相談し、支援の一環としてはじめることにしました。

小林さんも佐藤さんも各々で色々な支援やアドバイスをやっていましたが、当時のSUMUSは会社として営業系でいこうとか、組織系でいこうとか、決まっていたわけではないです。そもそもコンサル会社でもありませんでした。僕もシンプルに目の前の社長のお悩みを解決するために何ができるかを考えて行動していました。

マーケティングも知らなかったし、ホームページも作ったことがないので、全て勉強してやりながら覚えていきました。今ではほぼ全ての領域をやっています。

人と人との「間」が多いほど、調整は難しい

僕たちがコンサルに入ることで、分かりやすく数字で結果がでるのが、特にウェブマーケティングの領域です。これまでは業界全体がアナログでしたので、正しいイロハを知り、丁寧に実践していくことで、桁を変えて成長した会社もあります。

そうしたマーケティング支援から入った会社も、やっていくうちに結局は総合的な支援に広がっていくケースが多いです。

特に今は業界全体で組織開発が重要なフェーズです。住宅産業は営業、設計、施工だけではなく関わる職人さんたちも30業種くらいあったりして、とにかく関わる人が多いのが特徴です。人と人の「間」が多いほど、その調整は難しくなります。

世間ではDXが盛んですが、住宅産業ではたくさんの人が関わっているからこそ、DX化を一気に進めてしまうと、場合によってはたくさんの人の役割を奪うことにもなります。それは産業全体にとってもマイナスの影響にしかなりません。

ですので、徐々にDXにシフトしながら、同時にリスキリングで人材の育成をして、さらに経営者には時間とコストがかかることを理解してもらうなど、バランス感のある舵取りを求められます。

難しいですが、それがコンサルタントとしての面白さでもあります。ただ制度や仕組みをつくって納品すればそれで終わり、という話ではないのです。

大きな会社になれば役員会でプレゼンをして承認を得たり、全社員の前で内容を発表したりすることもあります。200人規模の会社で1年がかりで人事評価制度をつくりあげたときは、達成感がありましたね。

数字ですぐに結果が出るのももちろん嬉しいですが、僕はそれ以上に目の前のクライアントのお困りごとに1つずつアンサーしていくことを重視しています。それが結果として、信頼関係の構築や長期の伴走支援を可能にしているのだと思います。

ある社長様から「東郷さんと話をしているだけで、頭の中が整理されてやるべきことが明確になるから、話をしてくれるだけでもありがたい」と言われたときは、コンサルタントと支援先という関係を超えた、本当のパートナーになれたような気持ちで嬉しかったです。